英語の「ただいま」と「おかえり」直訳できない2つの表現

Home Sweet Homeという言葉を聞いた事がありますか?

「ステキなわが家」「愛しのわが家」などの意味です。

古めの歌のタイトルですがいまもこのフレーズは人気があるようです。

Home には「家庭」「自宅」の意味があります。

英語で家に帰ることをGo homeと言いますね。

Go house「住居」「人家」とは言いません。

ネイティブにとってHomeは自分のアイデンティティーを象徴するような場所なのです。

私たちが感じているような「わが家」とはまた一味違った感覚なのかもしれませんね。

ところで家に帰った時の合言葉のような「おかえり」「ただいま」って英語でどう言えばいいのでしょうか?

実はこの2つの表現、英語にズバッと直訳できないのです。

【ネイティブが人と会った時の言葉】

私たち日本人は「ただいま」「おかえり」と言っただけで会話をしたような気分になりますね。

「ただいま」「おかえり」の中にたくさんの気持ちがこもっているからなのでしょう。

ところがネイティブは帰宅したときのお決まりのフレーズを持っていません。

お決まりフレーズがないから、人に会った時の“いつものフレーズ”でいいのです。

英語では家の中でも外でも、誰かに会ったときの言葉は同じなのです。

例1)
Hi Mom
ただいまママ
例2)
Hi Mr. Stuart
こんにちはスチュアートさん

おしゃべり好きなネイティブは家に帰ってきてすぐに話し始めます。

「あのね、今日はね…」「いやぁまいったよ、あそこでさぁ…」と、外から帰ってきた人は話題豊富です。

そもそも「ただいまー」「おかえり!」の表現があったとしても、それを使う雰囲気ではなさそうですよ。

【英語で「ただいま」の表現 】

通常ネイティブはFront door(玄関のドア)を開けただけでは何も言いません。

誰かが近くにいると確信して、または誰かの顔を見てはじめて何か言い始めます。

それは呼びかけというよりは挨拶に近いのでしょう。

そう考えるともっともなセリフで帰宅してきます。

Hi
Hey
Hello

例1)
Hi Diann
ただいまダイアン
例2)
Hey, where is Dad?
ただいま、パパはどこ?
例3)
Hello!!
「ただいま」ってば〜

【 I’m home と I’m back 】

I’m home「家に着いたよ」I’m back「帰ってきたよー」と言うときのフレーズです。

毎日使うフレーズとしても悪くはないのですが、日常よりも帰省時や長い旅行から帰ってきたときなどに使う事が多いようです。

主語とB動詞が入った骨太な文章を使うのは非日常や、主語を強調する表現にもってこいの構文です。

例1)
お父さん:Hello, how is Hawaii, are you enjoying the Summer there?
もしもし、ハワイはどうだ?夏を満喫しているかい?

男の子:No…,Look at front door. Surprise! I’m home now Dad.
それが… 玄関のドアを見て。サプライズだよ!ただいまパパー。

例2)
Anybody home? I’m home….
誰かいるの?ボクだよ、ただいま…

*例2のようにI’m home ( I am home ) は日常的な帰宅でも、予定外の時間だったり自分が家に帰ったことを強調する時にも使います。

例3)
It was odd journey. But, eventually I am back in town.
それは奇妙な旅だった。しかし結局は街に帰ってきたのだ。

*例3で注意したいのはI am back to townとは言わないことです。

街に帰ってきた時の前置詞にはInを用います。

【I’m home と I’m at home 】

I’m homeとは玄関のドアを開けて家に着いたことを家族やそこにいる人に伝えるときに言う言葉です。

I’m at homeは携帯電話などで、どこにいるかを聞かれたときに自分の居場所を指して言います。

I’m homeはI have arrived home「家に着いた」の意味です。

例)
友達:Hello Lisa, can you come to AA mall around 3? Where are you (at)?
もしもしリサ、3時頃AAモールに来られない? どこにいるの?

リサ:Yes, I am at home, can come there in 30 mins!
行ける、家にいるの、30分で行けるわよ!

【英語で「おかえり」の表現 】

「おかえり」もまた「ただいま」同様、ネイティブに決まったフレーズはありません。

帰ってきた相手の言葉や様子を見て会話をはじめます。

「ただいま」のようにHi、Heyと、短くてもノープロブレムですよ。

また、英会話では話の最初や最後に相手の名前を入れるとお互いの距離がグッと縮まります。

Hi
Hey

例1)
Hi Mike, how was your day?
おかえりマイク、今日はどうだった?
例2)
Hi Mom.
ただいまママ
Hey Amy, Mary phoned you right now.
おかえりエイミー、いまメアリーからあなたに電話があったばかりよ。

【家の中で使うHi、 Hey 、Helloの意味】

Hi 、Hey、 Helloは家の中の会話でも普通に出てきます。

「なにしてるの?」「ねぇ」など意味は本当に様々です。

「ただいま」「おかえり」のHi 、Hey 、Helloはそんな何気ない家庭内の会話の延長線上にあるようです。

ちなみに英語で「もしもし」はHelloと言います。

電話でなくても「人の話を聞いてるの?」「誰かいますか?」 「あのぅ…ちょっと…」と言いたい時にもHelloで表現できますよ。

Hi 「おはよう」「ねぇ」「よぅ」
Hey 「ほら」「ちょっと」「コラ」「なにしてるの?」
Hello 「しっかりしてよ」「もしもし」「聞いてるの?」

*Helloの反対言葉はGood-byeですね。

ネイティブは出かける時にBye 「じゃあね」See you ( later ) 「後でね」と言って家を後にします。

【 Welcome backとWelcome home 】

Welcome back!と書かれた文字のまわりに写真やステッカー、仲間のサイン、コメントがたくさんある大きなプレートを見たことはないでしょうか?

それは学校や職場などで病気、ケガなどしばらくいなかった人が復帰したときのお祝いに使う友達からの歓迎のプレートです。

このようにWelcome backは“帰ってきた”ことを特別に思うときに使います。

この時のBack はReturn の意味で考えるといいと思います。

Welcome homeは「家に迎え入れる」「温かく迎える」の意味があり、そこに住んでいる人たちだけのフレーズではありません。

ゲストだってWelcome homeで迎えていいのです。

Welcome home とWelcome backはhome とbackだけで構文は同じですね。

この2つの構文はGo homeのように前置詞のToがありません。

Home もBackも方向性を含む単語だからです。

Homeに所有格のOur だったり、形容詞のCozy 「居心地の良い」などがつけばToが必要になってきます。

HomeはHome town「出身地」「故郷」 のように自分自身を表す言葉にも使われます。

例1)
Welcome back and hopefully your Xmas and New Year holidays were packed with fun.
おかえり、クリスマスとお正月の休暇が楽しみでいっぱいになるといいね。
例2)
Welcome back, and congratulations on a successful first flight!
おかえり、そして初飛行の成功おめでとう!
例3)
Welcome back guys, the fans said to the players.
ファンは選手たちに「みんな、おかえり」と言いました。
例4)
You belong here. welcome home.
お前はこの家の子だ。おかえり。
例5)
Welcome home Bill. We missed you.
おかえりビル。寂しかったよ。

*海外の軍隊ではトレーニングや特別任務などで長く家を留守にすることがあります。

しばらくぶりに帰宅する兵士を家族が迎えるときにも、Welcome homeを使います。

【もっとある「おかえり」「ただいま」の 表現】

「おかえり」「ただいま」に使える英語のフレーズはいくらでもあります。

でもどんな言葉をかけていいのか思いつかない時だってありますね。

そんな時のためにシチュエーションごとの「おかえり」と「ただいま」フレーズをどっさり紹介していきます。

−おかえり

帰ってきた相手を思いやった言葉を選ぶといいでしょう

例1)
パーティや友達と会って帰ってきた人に
Did you have fun?
楽しんだ?
例2)
ちょっと元気がなさそうに見えた時
Are you tired? / Are you OK?
疲れた?
例3)
季節の変わり目など、外気が冷たく感じる時
Getting colder huh?
寒くなったってきたよね
例4)
すぐに食事ができる、または食事の用意ができているとき
Are you hungry? / ready to eat?
お腹すいてる?
例5)
想定外の早さで帰ってきた時
You are already here!/ Already!
もう帰ってきたの!/ 早っ!
例6)
テストがあった日
How was the quiz?
テストはどうだった?

*学校では小規模なテストのことをQuizと呼び、期末テストなどとは区別します。

日本人の感覚でクイズと聞くとちょっと楽しそうに聞こえちゃいますね。

例7)
ピクニックなど屋外の活動があった日
The weather was ok?
お天気は大丈夫だった?
例8)
買い物に行ってくれたとき
Thank you for going to the store.
買い物行ってくれてサンキュー
例9)
学校から帰ったとき
How was your day school?
学校ではどうだった?

−ただいま

ここにいるよと存在を知らせたり、その時の状態を簡単に伝えると自然です

例1)
真夏の暑い日に涼しい家に帰ってきたとき
Ah nice and cool in here.
あ〜ここは涼しくて気持ちがいいなぁ
例2)
そこにいると思った人が見当たらないとき
Are you there, Mic?
ミック、いるの?
例3)
終わらない仕事を持ち帰ったとき
I still have a lot of thing to do.
まだやることがいっぱいだよ〜
例4)
ごちそうの匂いがたまらないとき
Smells so delicious.
美味しそうな匂いだなぁ

−シーズン

ネイティブはスキを見てすかさずジョークを入れてきます。

季節やその場のムードを読んで面白く帰宅するのもありですよ!

例1)
バレンタインデー
Queen is back
女王様のおかえりよ
例2)
ハロウィーン
Mmmm Zombie is here.
うぅ〜、ゾンビだぞー
例3)
ハロウィーン
Boo!
ばぁ!
例4)
クリスマス
Ho Ho Ho
ホ、ホ、ホ

【まとめ】

しばらくぶりに海外のコミュニティに参加したときのことです。

入り口のドアを開けた瞬間Welcome back!「よくまたきてくれたね!」と大歓迎されました。

これがWelcome back「おかえり」の代表的な使い方です。

今回説明したように、ネイティブの「ただいま」「おかえり」のフレーズは気分や環境でいくらでも変化するものです。

また英語のHomeという言葉には特別な重みがあるので毎日、家に帰ってくるたびにwelcome homeとは言いません。

「ただいま」「おかえり」は英語でHi、 Hey 、Helloなどの軽い言葉でOKです。

予定通りに帰宅するのに毎回I’m home やI’m backではちょっと大げさです。

この言葉の習慣を逆手にとってジョークに使うこともできます。

道に迷って散々だった日などはI’m home finally 「オレはとうとう我が家に着いたんだな」と苦笑するのも粋です。

それに対してWelcome back Jack!「よくもまぁご無事で 、ジャック!」などで返せばネイティブっぽいジョークになりますね。

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