「お疲れ様です」って英語で何て言う?

日本なら「もぅ、忙しくってクタクタだよ」と言えば「ずいぶん頑張っているんだな」と前向きに捉えることができますね。

すれ違いざまに同僚から「お疲れっ!」と言われたら気分もパッと明るくなるでしょう。

1日中 「お疲れ様です」の言葉を使わずに仕事を進めるのは不自然 ですね。

そのくらい職場で大活躍しているフレーズです。

ところがネイティブがこれを聞いていたら「仕事の効率が悪いのかな」「かなり疲れてるんだな」 などと捉えると思います。

「頑張っているね」「よくやってるね」とはなかなか思ってもらえません。

ネイティブの疲れに対する見解が私たち日本人とはだいぶ違うようです。

どんなシーンでどんな言葉を使えば「お疲れ様です」の表現になるのか気になりますね、場面ごとにわかりやすく説明します。

【「お疲れ様です」の直訳】

「お疲れ様です」を英語に置き換えてみましょう。

まず主語は聞き手ですから「You+Be動詞のare」です。

主語抜きで"Tired"だけでは「疲れたー」と自分自身の状態を指すことになってしまいます。

出来上がった文は"You are tired."(あなたは疲れているね。)です。

なんだか相手の疲れた状態を指摘する言葉になってしまいました。

これではこちらの「お疲れ様です」の気持ちが全然伝わりません!

You are tired VS Good luck

例1-1 )
自分:Hey, how's the new project going on?
   ねえ、新しいプロジェクトはどうですか?

先輩:So far, it's going pretty well.
   これまでのところ、かなり順調に進んでいるよ。

自分:You are tired!
   先輩、疲れていますねー!(お疲れっす!)

先輩:What??
   はぁ??

*シチュエーション的に「お疲れ様です!」と言いたいところですね。

You are tired!では 新しいプロジェクトに意欲を燃やしている先輩の出鼻をくじいてしまいます。

ここはGood luck!「うまくいくといいですね」「頑張ってください」などで激励すると気持ちが伝わります。

例1-2 )
自分:Good luck to the project!
   プロジェクトうまくいくといいっすね!

同僚:Oh, thanks.
   おぅ、サンキュー

*同僚のことは英語でColleague、Coworkerと言います。

入社日や年齢で表現が変わることはありません。

【Tiredを使っても意味が伝わらない理由】

「お疲れ様です」という気持ちを英語でうまく伝えるために、ネイティブの心理を探ってみましょう。

まずTired の意味を辞書で調べるとネガティブな感情や状態のオンパレードです。

Tired:疲れた、(…で)疲れて、くたびれて、飽きて、いやになって、(…に)あきて、(…が)いやになって、陳腐な、古くさい、

以前、海外のスーパーで小さな女の子がお母さんにしなびた野菜を見せてThis is tired.「これ、疲れてるねぇ」と言ってまわりを笑わせました。

一般的に古い野菜にはOldを用いるからです。

実際Tiredという言葉には「くたびれた」 の意味もあるのです。

それを仕事中、職場の人に乱用するのは適切ではないですね。

やる気満々なところに「疲れているね」なんて言われたら拍子抜けしちゃいます。

【「お疲れ様です」の表現のヒント】

良く言われるように、日本人は相手を思いやった表現が上手です。

ねぎらいの言葉もたくさんありますね。

でもネイティブは遠回しな言い方や、同情されるような言葉は好みません。

では日本人が使う同情やねぎらいの気持ちを、ネイティブらしいポジティブな表現に切り替えてみます。

「お疲れ様です」を英語で言う表現のヒントになります。

・忙しそうな時:「よくやっているな」「リラックス」「手伝うよ」 

・大きな仕事をやり遂げたあと:「素晴らしい」「上出来だよ」「すごいね」

・さんざんだった日:「 あなただからできたんだ」

・ただの挨拶:「やぁ」「こんにちは」「調子はどう?」「うまくいってる?」

【ネイティブにとっての「お疲れ様です」の言葉 】

ポジティブになった「お疲れ様です」の表現を場面ごとの表現で紹介していきます。

挨拶の「お疲れ様です」

1日の仕事はじめに同僚やまわりのスタッフにHi、 Hey、 Hello、 Good morningだけで済ませる人もいます。

でもそれだけではちょっと、物足りない感じだなと思ったらコレです。

挨拶と同時にひとこと付け加えるだけで「お疲れ様です」の表現になります。

例1 )
Morning. / Good morning, Nelson. How are you doing today?
おはよう/ おはようございます ネルソン。今日の調子はどう?

例2 )
Good afternoon, Mr. Scott. Everything going smoothly?
こんにちはスコットさん。すべて順調に進んでいますか?

例3 )
Hi, did you enjoy your weekend?
やぁ、週末は楽しかった?

例4 )
Hi, how are you (doing)?
こんにちは、元気?

仕事中の「お疲れ様です」

仕事の合間にサッとコーヒーを差し入れたり、フッと一息入れたところで同僚と目が合ったなんてシーンはいくらでも出てきます。

そんな時お互いにいう「お疲れ〜」のフレーズです。

例1 )
How're things going
調子はどうだ?

例2 )
Everything good?
問題ない?(大丈夫?)

例3 )
What's new?
どんな感じ?

例4 )
How’s your morning going so far?
今朝、いまのとこどう?

例5 )
How’s your day been?
うまくいってる?

例6 )
Has your day been busy so far?
今日はどんな感じ?いまのところ忙しい?

例7 )
My afternoon’s been kinda slow. How’s yours going?
こっちは午後ちょっと暇だったんだよ。 そっちの仕事はどう?

*Kindaは Kind of「まぁ、ちょっと」を短くしたスラングです。

仕事中でもスラングはたくさん出てきます。

またここでのSlowは「暇」の意味です。

忙しい時にはBusyを使います。

Slowの反対語はFastですが「忙しい」と言う意味には使いません。

例8 )
Is everything alright?
すべて問題ないですか?

退社時のカジュアルな「お疲れ様です」

1日の締めくくりですが英語なら軽いフレーズで構いません。

職場で“今からかえりますよ”“今日のところは終わりました”と自分が帰宅することを伝える程度でOKです。

See you tomorrow「また明日ね」See ya「またね」と組み合わせるときには、「お疲れ様です」のフレーズの後に持ってくるとしっくり決まります。

例1 )
See you tomorrow, bye. / See you on Monday. / See you next week.
明日ね、それじゃ / 月曜日に会おうね /来週お会いしましょう

例2 )
I am leaving now. See you tomorrow!
私もう行くから。また明日ね!

例3 )
I am leaving now.
もう行くから

例4 )
Good evening (night)!
素敵な夕方を過ごしてください!

例5 )
I will make a move now.
いまから帰るわね

例6 )
I'm all done, heading home. Bye!
全部終わったから家に帰るよ。じゃあ!

例7 )
I am leaving for the day.
今日のところはこれにて帰宅

例8 )
I'm leaving! Enjoy the rest of the day.
私は帰宅します! 残っている時間も楽しんでね。

*"Enjoy the rest of the day"(残りの時間を楽しんで)この「残りの時間」は残業を指しているのではなく“1日の中での残りの時間”つまり自由時間を指しています!

相手にも退社後に自由時間が残っていることを知っていて、プライベートでエンジョイすることを言っているのです。

退社時のフォーマルな「お疲れ様です」

例1 )
I'm done for the day. See you tomorrow (on Monday)!
私の今日の仕事は終わりました。 また明日(月曜日に)会いましょう!

例2 )
May I leave? (Good)bye!
退社してもよろしいでしょうか?失礼します!

*早めに出ることを許可されている場合、許可を求める場合にはMay I leave?が適切です。

転職、退職する人への「お疲れ様です」

いつもの挨拶代わりの「お疲れ様です」フレーズとはかなり違ってきます。

定年ならHappy Retirementと書かれたカードや色紙と一緒に気持ちのこもった一言を添えるのが通例です。

また転職は日本よりもずっとポピュラーです。

しばらく合っていなかった人に"Are you still working at AA? "(あなたまだAAで働いているの?)と普通に聞かれるくらいです。

英語圏では気の合う同僚とずっと一緒に働けるというのはとてもラッキーなことです。

例1 )(転職)
Best of luck, I am wishing you the best and hope you meet wonderful new people and great work environment.
幸運をお祈りします。
素晴らしい人々と素晴らしい職場環境に出会えますように。

例2 )(移動)
Hope we will get the chance to work together again, and don't forget to call me over a cup of coffee or lunch!
また一緒に仕事をする機会があるといいですね、そして私に電話するのを忘れないでください。
コーヒーやランチをしましょう!

例3 )(定年退職)
We're really going to miss you! Hope you'll enjoy every minute of your retirement. Best wishes!
本当に寂しくなると思っています!!
今後の人生の一瞬一瞬を楽しめるといいですね。
ご多幸をお祈りします!

例4 )(定年退職)
I hope you have a wonderful retirement! You will be missed, but never forgotten. You've done so much for all of us.
素晴らしい引退人生をお祈りします!
寂しくなりますが、あなたのことは決して忘れません。
それほどあなたは私たちによくしてくれたのです。

大変だったねの「お疲れ様です」

手に負えないような大量の仕事が来た時、うまく仕事が進まない時、またそれをやり終わった時などに同僚や友達に英語で声かけができたらかっこいいですね!

ネイティブは長い言葉は使いませんが、前向きに力強く励まします。

例1 )
Take a step back.
譲歩しちゃいな

例2 )
Take things step by step.
一歩一歩こなしていきなよ(リラックス)

例3 )
You did your best.
あなたはベストを尽くしたよ

例4 )
It’s not your fault.
あなたのせいじゃないよ

例5 )
Well done!
よくやった!

例6 )
Focus on now.
今に集中して(済んだことはもういいんだ)

例7 )
Not the End of the World.
世界の終わりじゃあるまいし

例8 )
Be kind to yourself.
自分に優しくね

メールでの「お疲れ様です」

メールを書く時にも、いきなり本文からでは乱暴ですね。

そうかと言って季節の挨拶を長々と書くのも時代に合っていません。

短く「お疲れ様です」と表現して話題に入ることができればスマートです。

ビジネスメールにも使える気軽な一言って結構あるものです。

例1 )
Hope you are doing well.
お元気ですか

例2 )
I hope you are well.
お元気でいることと思います。

例3 )
Thank you for your message/email/phone call.
メッセージ/メール/電話ありがとうございます。

例4 )
I hope you had a great weekend.
素晴らしい週末を過ごしたことと思います。

例5 )
I hope this finds you well.
お元気のことと思います。

例6 )
It was great talking to you.
あなたとお話できてとても良かったと思っています。

例7 )
It was great meeting you.
お会いできたことを素晴らしく思っています。

例8 )
Thanks for the additional info.
追加情報をありがとうございます。

例9 )
Thanks for the quick response.
早速のお返事ありがとうございます。

例10 )
It is great to hear from you.
ご連絡ありがとうございます。

*「お疲れ様です」の意味にはなりませんが、ビジネスメールの最後としてYours truly「敬具」 Sincerely「心を込めて」Respectfully「謹んで」などを使って締めます。

メールの書き出しだけでなく、終わりの言葉も押さえておきましょう。

【「お疲れ様です」のように職場に溶け込むフレーズ】

職場は小さな社会です。

思いやりのある一言で、人付き合いが好転することはよくあります。

仕事の忙しさに関わらず言葉の影響は大きいものですね。

ここで職場に溶け込んでいる「お疲れ様です」に関連する表現にも少しだけ触れておきましょう。

例1 )
Well done!
上出来!

例2 )
Good job!
よくやった!

例3 )
Thank you for…
ありがとう…

例4 )
What can I do to help?
何して手伝おうか?

例5 )
No one can do except you.
あなたにしかできないよ 。

【まとめ】

日本語の「お疲れ様です」に匹敵する英語表現はありません。

「お疲れ様です」を英語にすると、一番近い表現が、

Have a good one.(素敵な1日を。)

See you tomorrow.(また明日。)

です。

英語の"Tired"の意味は「疲れた」「うんざり」で心や体が健全ではない状態の時だけに使う単語です。

「頑張っている」ことが「疲れている」に直結しないのがネイティブです。

「お疲れ様です」のつもりで突然"You are tired."(疲れてるね〜)なんて言わないように気をつけましょう。

毎日仕事で疲労困ぱいするなんてネイティブにとってナンセンスなのです。

彼らは人生を楽しむことを1番に思っています。

そんなネイティブのライフスタイルに沿った言葉を選ぶことが大切です。

また励ましやねぎらいの適切な英語表現を知っておけば、人間関係の向上につながります。

特に同僚にはポジティブで重くなりすぎない言葉が好まれるようです。

カジュアルで、親みのある言葉を短く言うのがポイントですよ。

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