英語の発音! 初心者でもネイティブ並みに話せる矯正練習法

正確な発音のために正しい舌の位置を意識しよう

英語の発音、と一口に言っても悩みは人それぞれですよね。

文法や語彙と違って目には見えないものだからこそ、掴みにくく習得しにくい、それが英語の発音です。

英語の発音は、教えられたからと言ってすぐにできるものではありません。

加えて、ネイティブスピーカー(生まれたときから英語を聞き、英語を話す人)の口の仕組み、発声の仕組みと、私たちのように第二言語として英語を話す人の口の仕組み、発声の仕組みは異なる部分が多いです。

舌の「休め」にあたるポジションが違っていたり、母音の発音の仕方(母音を発音するときの舌の位置や声の出し方)が違っていたりするんです。

だからこそ、ネイティブの先生に「口はこの形、この音を出すんだよ!」と言われてもしっくりこない、ということが多々あります。

だからこそ、まずは英語の発音の基礎知識にあたる発音記号をしっかりと学ぶことが大切です。

そしてその音を出すときの口の形、舌の位置を確認しておきましょう。

発音矯正は、できれば英語学習の最初の段階にやっておくことをおすすめします。

なぜなら、一度間違った音でおぼえてしまうと、それが癖になって正しい音に矯正するのが難しくなるからです。

もしこれまでに発音記号を勉強したことがないのであれば、今すぐに始めてください。

初心に帰り、発音の基礎を一から勉強し直すことで、上達のヒントが掴めるはずです。

英語の音は日本語にない音。日本語の音に当てはめないこと

日本語と英語には根本的なところで大きな違いがあります。

それは英語は「声」ではなく「息」で話す言語である、という部分。

英語の子音には s や sh など「息」の音、つまり声は出さずに息だけで作る音、というものがたくさんあります。

これも私たち日本人にとっては掴みにくい部分です。

なぜなら日本語は子音と母音でワンセットだから。

「カ」なら「K」と「A」を組み合わせてひとつの音になります。

このワンセットが「音節」です。

「カメ」なら「カ(KA)」と「メ(ME)」で2音節の単語ですね。

でも英語はそうはいきません。英語は子音、母音、子音でワンセットなんです。

たとえば rain(雨)という単語は四文字ですが、1音節の単語です。真ん中に「 ei(eɪ)」という二重母音があります。

この二重母音の前に「r」の音、後ろに「n」の音がくっついている、という考え方をします。

母音と子音の組み合わせ方からして大きく違いがある、だからこそ知っている日本語の音に当てはめるのではなく、英語の音として習得することが肝心なんです。

それでは、日本語と英語の違いを踏まえながら、ネイティブ並みに話せるようになるための矯正練習法について見ていきましょう。

「なんとなく」ではダメ。シャドーイングの落とし穴

発音矯正で一番大切なこと。

それは「発声」ではなく「分析」です。

時間をかけてたくさんシャドーイングをしても、この「分析」の部分がおろそかになっていると、英語の発音はなかなかよくなりません。

つまり、ただ声を出しているだけ、デタラメな発音では十分な効果は得られない、ということです。

シャドーイング練習をするときは、最低でも、相手があなたの発音を聞き取り、正確に意味を理解できるレベルを目指してください。

速いスピードでシャドーイングできなくても大丈夫です。

「速さ」ではなく発音の「精度」にこだわってください。

しっかりとお手本の音声を聞き、単語の特徴となる音を聞き取って真似をする。

うまくいかないところは発音記号を確認する癖をつけましょう。

もちろん繰り返し練習することは、口の体操としては非常に効果的です。

英語をきれいに発音するためには口のまわり、口輪筋と呼ばれる部分を鍛えておく必要があるからです。

実は日本語を話すとき、この筋肉を私たちはあまり使っていません。

口輪筋を鍛えていなくても日本語を話すことができるんです。

だから、うまく発音できていなくてもシャドーイング練習は決して無駄ではありません。

しかし、しっかりと耳を使ってお手本と自分の発音の「音の違い」を分析することで、理想の発音、よりネイティブスピーカーに近い発音に近づくことができます。

そのほうが効率的ですよね。

口輪筋をしっかりと鍛えながら、耳を使って違いを聞き取り、修正を加えながら発音の精度を上げていく。

これができればシャドーイング練習がさらに有意義なものになります!

シャドーイングでとくに注意すべきは母音!

正しい英語の発音をするにあたって、とくに注意したいのが「母音」です。

日本語には母音が5つしかありません。

「あいうえお」の5つですね。

でも英語の母音の数は、実は13個とも15個とも言われているんです。

もっとたくさんあるという人もいます。

これは研究者や言語学者によって違ってくるので、おぼえる必要はありません。

ただ、日本語と比べてかなりたくさんの母音があるんだな、ということを頭に入れておいてください。

そして英語には「二重母音」と呼ばれるものがあります。さきほども述べたように、これはひとつの音の中にふたつの母音がある音。

たとえば「行く」という意味の動詞 go はカタカナで書くと「ゴー」ですが、この「o」は二重母音で、ひとつの音の中に「オ」のような音と「ウ」のような音があり、正確には「ゴー」ではなく「ゴゥ」という発音になります。

日本語の「ゴウ」だと音は二つになりますよね。

「ゴ」と「ウ」の二つが並んだ、つまり2音節の発音になります。

しかし英語の場合は音の数はひとつのまま、1音節で「ゴゥ」です。

これが二重母音の考え方です。

ひとつの「音」としてとらえられています。

たとえ英語初心者であっても go の発音が難しい、と感じるひとはそういないと思います。

しかし実際はこんなふうに注意すべきポイントが隠れているんです。

よく使う単語、聞き慣れた単語ほど母音を注意深く聞き取って、まずはその違いに気づき、修正していく必要があります。

英語の母音には「前舌」「中舌」「後舌」の3種類がある

二重母音以外にも気をつけなくてはいけないポイントがたくさんあります。

なにしろ日本語と比べて英語は母音の数が格段に多いですからね。

たとえば日本語の「ア」はひとつだけ。でも英語には少なくとも3種類の「ア」に該当する音があります。

「バナナ」はご存知の通り英語で banana ですね。

アクセントがあるのは真ん中の a です。

この母音の発音記号は「æ」となっています。

舌先を下の前歯の歯茎のあたりにくっつけて「エ」の口の形からさらに少し開き「ア」を発音するようにして出す音、これが「æ」の音です。

これは「前舌母音(front vowel)」という種類の母音の発音です。日本語の「ア」とはかなり違います。

次に「熱い」という意味の hot に使われている母音、これも「ア」に該当する音です。

綴りを見ると「o」になっているので「ホット」と発音してしまいたくなりますが、これは「ɑ」という発音記号で発音されます。

口を縦に開けて、口の中にしっかりと空間を作り、舌の後ろに声を響かせるように発音します。

これは「後舌母音(back vowel)」です。

同じ「ア」にあたる音ですが、ひとつ前の「æ」とはまったく違った音が出ていることがわかります。

3つ目は「カップ」の cup を見ていきましょう。

カタカナで書くと「カップ」ですが、英語にはこの「ッ」の表現がありません。

この単語は「ʌ」を使った低く短い音で表現しています。

ですから舌に力を入れず、リラックスさせた状態にしておくこと、口を開け過ぎないことが重要です。

これは「中舌母音(central vowel)」にあたります。

発音記号を学んで「英語の音」を身につけよう!

日本語に当てはめると同じ「ア」ですが、英語にはこんなふうに少なくとも3種類の「ア」にあたる母音があり、それぞれまったく別の音として認識されています。

この母音を聞き分ける、発音し分けることが重要なんです。

とは言っても私たち日本語話者にとっては、始めてシャドーイングをする場合、最初はどれも同じに聞こえるかもしれません。

ですので発音記号を学び、まずは違いを認識できるようになりましょう。

そして発音しにくい単語、難しい単語に出会ったときは発音記号を調べてみましょう。

発音記号にそって舌の位置や口の形を再確認することで、これまでよりもラクに正しい音が出せるようになります。

発音記号の練習をするときは、鏡を持って自分の口元をよく観察してください。

日本語と英語はまったく違う言語なので、同じように聞こえる音でも口の開け幅が微妙に違っていたり、唇の形が違っていることが多くあります。

自分で自分の発音を聞いて少しずつ矯正していくことができれば、理想の発音にぐんと近づきます。

ぜひ発音記号を身につけて、より有意義で効果的なシャドーイング練習を行ってくださいね!

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