冠詞 a・an・theの正しい使い方と複数形の関係

冠詞「a・an・the」の正しい使い方は英語初心者、上級者に限らず、英語を学ぶ人にとっては簡単なようで難しい英文法の1つです。

物が1つあれば『a』や『an』をつけるのはわかっていても、どんな場面で使い、使わず、また時には複数形にしたり『the』に変えたりするかは完璧に理解するのはとても難しいです。

ここではその難問をわかりやすく理解できるように説明していきます!

1、日本語には無い冠詞『a』『an』『the』の表現をまず理解しよう

英語の基本の文で『This is an apple.』という文がありますが、『a』や『an』は物や動物などが「1つ」の時に使う表現です。

これの何が難しいかと言うと、日本語にはない表現だからです。

日本語では「リンゴが何個ありますか?」と聞かれない限り、いちいち「リンゴが1つあります」なんて言いませんよね。

だからこそこの『a』や『an』の使い方や複数形、そして『the』を使うのは、私たちにとって難しいのです。

例えば、英語で「リンゴが食べたいです。」と言う場合『a』や『an』、『the』のどれを使ったらいいと思いますか?

そもそも日本語の文には1つとも、複数とも何も書かれていませんよね。

正しい英文を作る時には日本語に書かれていなくてもこのリンゴに当てはまる『a』、『an』、『the』または複数形を使う必要があります。

・間違った文・・・I want to eat apple.

日本語とおりに文を作るとこんな文になりますが、これは間違いです。

appleは名詞なので、必ず『a』、『an』、『the』、または複数形にする必要があります。

・1つのリンゴが食べたい場合・・・I want to eat an apple.

名詞(apple)が1つの場合は、『a』、『an』を名詞の前に付けます。

名詞がa、i、u、e、oで始まっている単語のときは『a』ではなく『an』を使います。

例)an egg/ a dog /an orange /a pen/

・ただリンゴが食べたいと思った場合・・・I want to eat apples.

1つのリンゴが食べたいわけではなく、ただなんとなく「リンゴが食べたいなぁ・・・」と思ったなら、使うべき言葉は複数形になります。
1つと強調する場合のみ『a』、『an』を使うと覚えましょう。英文は複数形で作る事の方が多いです。

例)I like dogs./ I like bananas.

・食べたいリンゴが決まっている場合・・・I want to eat the apple.

『the』を使うときのルールは、相手にどのリンゴが欲しいのか100%伝わる時に使う言葉だと言う事です。

例えば、「スーパーに行った時に一緒に選んだ美味しそうなあのリンゴ!」や「お土産に青森から買ってきてくれた美味しそうなリンゴ!」など話し相手にどのリンゴの話をしているのかわかる場合は『the』を使います。

また同じように目の前にあるリンゴが食べたいときは『I want to eat this apple.』や少し離れた場所にあるリンゴと言いたいときには『I want to eat that apple.』と言うこともできます。

日本語ではこんな風に、あのリンゴ、このリンゴ、1つのリンゴなど、いちいち言う必要はありませんが、英語の場合はこれらをはっきり伝える必要があると言うことを覚えておきましょう!

2、不定冠詞の使い方

『a』と『an』、そして『the』は不定冠詞と呼ばれ、名詞(物の名前)や職業の前に付ける言葉です。

名前の通り、不定的に付いたりつけなかったりするので、こんな名前がついていますが、不定冠詞が付く名詞より、付かない名詞の方が多いので付かない名詞を覚える方が効果的です。

ルール① 『a』と『an』は物や人が1つの時だけに使われる!

This is an apple.

My brother is a doctor.

ルール② 人や国の名前、お店の名前などには付かない!

○ This is Mike.
× This is a Mike.

I went to Lawson.
(ローソンは名前なのでaはいらない)

I want to a convenient store.(
コンビニと言いたい時にはaを付ける)

ルール③ スポーツ・言語・科目の前には付かない!

○ I love soccer.
× I love the soccer.

○ You speak English.
× You speak an English.

※楽器の前には『the』を付ける。

例)I play the piano.

ルール④ 共通して理解できるものなら『a』と『an』の代わりに『the』を使う!

例えば、学校の前には1つしかコンビニがなく、話している相手に「コンビニ」と言うだけでどこのコンビニか通じる時などは『the』を使います。

Let’s go to the convenient store!(いつものコンビニ行こう!)

Let’s go to a convenient store!(どこでもいいからコンビニ行こう!)

ルール⑤ 海や山、川の名前などには『the』をつけよう!

The Mt.Fuji(富士山)

The Amazon(アマゾン川)

The Pacific Ocean(太平洋)

The moon(地球の月)

ルール⑥ 職業の前には『a』『an』『the』が付く!

You have to go see a doctor.(医者に診てもらった方がいいよ。)

You have to go see the doctor.(担当医に診てもらった方がいいよ。)

例えば、家族で決まっているお医者さんがいる場合、「医者」が誰なのかはわかっているので、この場合は『the』を使いましょう。

3、『a』『an』どっちを使う!?

先ほど、名詞が母音(a、i、u、e、o)で始まっている単語のときは『a』ではなく『an』を使いますと言いましたが、そもそもなぜ『a』ではなく『an』を使うのだと思いますか?

それはズバリ読みにくいから!

I like a apple.(アイ ライク ア アップル)って言いにくいですよね。

アアップルより、アンアップルの方が言いやすいので母音で始まる単語の時には『an』を使います。

それを踏まえた上で、1つイレギュラーなルールを紹介します。

それが母音で始まっている単語なのに、発音がa、i、u、e、o(アイウエオ)ではないものには『a』を。

そしてその逆の母音で始まっていないのに発音がa、i、u、e、oになっている単語には『an』を使うと言うことです。

ん?となってしまった人もいると思いますが、英語の読み方のルールは複雑で単語の中には文字通り読まない単語も多いので、このようなイレギュラーに単語も中にはあります。

基本的にはa、i、u、e、oで始まっているappleやeggなどの単語に『an』を付け、an apple、an eggにしますが、発音をする時にa、i、u、e、oの音が違う音に変わる時は『a』、他の子音がa、i、u、e、oの音に変わる時には『an』を使います。

・a、i、u、e、oで始まっている単語なのに、発音がアイウエオではない単語

a university (ユニバーシティ)「う」ではなく「ゆ」になっているから『a』

a UFO (ユーフォー)「う」ではなく「ゆ」になっているから『a』

a used book (ユーズド ブック)「う」ではなく「ゆ」になっているから『a』

a union (ユニオン)「う」ではなく「ゆ」になっているから『a』

a Euro (ユーロ) 「え」ではなく「ゆ」になっているから『a』

・a、i、u、e、oで始まっていないのに発音がアイウエオになっている単語

an hour (アワー) hは発音せず最初の音が「あ」になっているので『an』

an honest man (オネストメン)hは発音せず最初の音が「お」になっているので『an』

an FBI agent (エフビーアイ)f を「エフ」を発音しているので『an』

難しいと思いますが、基本的に『an』を使うのは、単語がa、i、u、e、oで始まる時なので、イレギュラーな場合もあると言うのを頭の端っこに入れておきましょう!

4、『the』の読み方は?ザ?ディ?どっちでもいいの?

『the』の読み方が2通りあるのは知っていましたか?なんとなく・・・の人の方が多いかもしれませんね。

実は『a』と『an』と同じように、『the』の読み方にもルールがあります。

「またルールか・・・」と思ったあなた!安心してください。同じルールが適用されます!

『the』の読み方のルールは『a』と『an』の時と同じく、子音で始まる単語なら「ザ」と読み、母音で始まる単語の時は「ディ」と読みます。

また子音でも、発音が母音と同じようになる場合は「ディ」と読みましょう。

The (ディ) apple・・・母音で始まっているので「ディ」

The (ディ)Earth・・・母音で始まっているので「ディ」

The (ザ)university ・・・母音だがuをユと読むので「ザ」

The (ディ)FBI・・・子音だが、fをエフと読むので「ディ」

The (ザ) dog・・・子音で始まっているので「ザ」

まとめ

不定冠詞は日本語では使わないので、簡単なようで難しい文法です。

文中に入る名詞が何を意味し、どんな意味合いで、そして場面で使っているのかを考える必要があります。

何度も文を作っているうちに慣れてくるので、自分で文を繰り返し作りながら覚えていきましょう!

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