「仕方がない」「しょうがない」は英語で何て言う?
今回紹介するのは、微妙な言葉 「仕方がない」「しょうがない」の英語表現です。
「しょうがない」は妥協したような または不本意に状況を受け入れているような意味ですね。
そう考えると英語にするのは面倒くさいんじゃないかと思ってしまいます。
でも私たちは日常的に 「しょうがない」という意味で「も〜」なんて言っています。
このように英語でも普段使いの簡単な表現があります。
また、慰めるときや言い訳に使うときの「仕方がない」「しょうがない」の英語表現も紹介します。
知らないとまるっきり意味がわからないけど、ここで読んでおくだけで「そういうことか〜」と理解できるおもしろい英語表現にも 触れていきます。
【普段使いで簡単に】
英語を話す時にいちいち頭の中で英語に変換していると時間がかかってしまいますね。
たくさんのフレーズを丸覚えしておくと会話がわりとスムーズに運ぶのですが、それも大変です。
まず 短く簡単に言える「しょうがない」の英語表現をマスターしましょう。
特にCan’t を使った表現は一般的で使いやすく、相手にも伝わりやすいようです。
英会話のレベルアップが期待できます。
OK
Oh well - 仕方がない、しょうがない
Oh-Oh - あーあ
Can’t help it - 仕方がない、しょうがない
A : Hey, Alyce lost her car keys last night. You have to take the bus to go to work. Sorry about that.
ねぇ、夕べアリスが車の鍵をなくしちゃったんだよ。バスで仕事に行ってね、かわいそうにね。
B : OK!
しょうがないなー!
*OKのOは短くKは強く長く発音することによって「しょうがないな!」「ハイハイ、わかりましたよ」などの意味になります。
親しい関係で使えるちょっとやけくそな受け入れ表現です。
日常英会話にも結構出て来ますよ。
I don't know where to place accents in the Japanese language for now, but oh well.
いまのところ日本語のどこにアクセントを置くべきかわかりませんが、しょうがないですね。
A: Linda spilled water again!
リンダがまたお水をこぼしちゃったよ!
B: Oh- Oh
ありゃ〜(しょうがないわねぇ)
* Oh- Ohは残念なシーンで、なおかつ重大ではない事柄に対して出てくる言葉です。
たいていはツッコミ的に使います。
軽いノリなのでビジネスなどの場面では使いません。
Derek couldn’t help it if his emotions took charge of him.
デレクはどうしようもなく感情的になってしまった。
It can’t be helped, we'll just have to manage without Rachel.
しょうがないね。レイチェル抜きでやって行くしかないだろ。
*Can’t help itはビジネスでも使えます。
また Can’t help youと言われたら「私にはどうにもできないよ」という意味が濃くなります。
「しょうがないね」と言う受け入れムードではなく、「お気の毒さま」「すみませんね」などの雰囲気の方が強いのです。
NOの遠回しの言い方でも使います。
【選択肢がないとき】
ほかに手段がないときのビジネスでも使える表現2つです。
UnavoidableはAvoidable「避けることができる」に否定のUnがついています。
「避けることができない」ので「仕方がない」「しょうがない」の意味で使うことができます。
No choiceと言われたら、選択肢がないのですからMustなのです。
日本語の「だってしょうがないでしょ」にソックリです。
Unavoidable - やむを得ない、避けることができない
No choice - 選択肢がない、しょうがない
For those of us living in large, urban centers, traffic jams are unavoidable.
大都市部に住んでいる私たちにとって、交通渋滞は避けられないのです。
That was a delay of seven, possibly eight days, but it was unavoidable.
あれは7日間、もしかして 8日間の遅れでしたが、仕方がないことでした。
* Unavoidableは表現がちょっと硬くビジネス的です。
自分では調整不可能なことに用います。
You have no choice, if you want a new smartphone, you have to pay ¥15,000.
新しいスマホが欲しいなら15万払わなきゃね。しょうがないよ(選択肢ないよ)。
* あるとき飛行機の中で病人が出てしまい緊急着陸を余儀なく決断された機長はWe had no choiceと言いました。
「仕方がなかった(選択肢がなかった)」のです。
このようにNo choiceは「やるしかない」「これしかない」などの意味でも使います。
【慰めるとき】
物事が計画通りに行かなかった、想定外だったときなどちょっと落ち込みますね。
そんなときの「しょうがない」の英語表現です。
「まぁ、こんなもんだ」というあきらめムードの含まれた言い方もありますが、どれもネティブらしい言い方です。
That's life – それが人生
That's reality – それが現実です
Such is life – それが人生だ
Not your fault – あなたのせいじゃないよ
Que sera sera − ケ・セラ・セラ、なるようになるさ
What will be will be − なるようになるさ
A : Daddy I didn't get all the presents I wanted for my birthday.
パパ、誕生日に欲しいプレゼントが全部手に入らなかったよ 。
B : That's life, Keith
それが人生なのだ (しょうがないよ)、キース
* That's reality「それが現実です」Such is life「それが人生だ」も同じ要領で使えます。
A : Sorry, If I could run faster, I could catch your cat.
もっと早く走れたらあなたのネコを捕まえられたのに、ごめんね。
B : Not your fault, she is so quick.
しょうがないよ、アイツ超すばしっこいから。
*この場合Not your faultは「あなたのせいじゃないよ」と同時に「しょうがないよ」の意味で使っています。
相手を責めない、または慰めるときによく耳にする言葉です。
A : I am pretty stressed about getting my exam grades back.
試験の成績を取り戻すことですごくストレス感じてるんだよね。
B : Oh, que sera sera! You studied, you took the tests—what else can you do now?
ああ、なるようにしかならないよ! 勉強して、テストを受けたんだから。今、他に何ができるっていうの?
*あまりにも有名なフレーズQue sera sera ケセラセラです。
英語圏の人も普通に使いますが実はこれってスペイン語なのです。
おもしろいことにQue sera seraとスペイン語で言った方が気持ちが素直に伝わるようです。
英語ではWhat will be will beで、意味は同じです。
【言い訳に使うとき】
言い訳というとなんだか良くない感じがしますか?
英語圏では言い訳が結構受け入れられることが多いのです。
「そうか、そういうことか」と納得してもらえるような「仕方がない」「しょうがない」の英語表現です。
これらを活用すれば英語で自分アピールがどんどんできちゃいます!
I did the best I could/ I did my best - ベストを尽くした、よく頑張った
That's how the cookie crumbles - それはクッキーが崩れる方法です
It’s fate. - 運命です
A : Dinner was kind of cheap.
夕食ちょっとお粗末だったな 。
B :We couldn’t go to the grocery store today. I did the best I could with what was in the fridge.
今日はスーパーにいけなかったでしょ、冷蔵庫にあるものでできる限り頑張ったのよ(しょうがないでしょ)。
* I did the best I could をI did my bestで表現しても同じです。
言いやすい方、覚えやすい方で使ってOKです。
ベストを尽くした結果だから「しょうがない」という意味になりますね。
またI think you did good/great job「あなたはよくやったと思うよ」も慰めるときに出てくるフレーズのひとつです。
I had some bad luck with injuries — that's how the cookie crumbles.
私は不運にもケガに見舞われてしまいましたが、仕方がなかったんだよ。
The college program has been canceled, but that’s just the way the cookie crumbles.
大学のプログラムがキャンセルされちゃったよ、しょうがないよね。
* Crumbleは「崩れる」という動詞です。
クッキーならいつかは崩れてしまって当たり前です。
That's how the cookie crumbles は“不可抗力”を英語のフレーズにした感じです。
またCrumbだけなら「パンくず」を表す名詞です。
A : So why did you marry him?
じゃあなんで彼と結婚なんかしたのよ?
B : I don't know, it was just my fate to marry him.
わからないわ、(運命で)そうなっちゃんだからしょうがないのよ。
* Fateは「運命」「宿命」です。
運命なら個人の意志よりはるかに強いでしょう。
運命でそうなっちゃったときには、このフレーズで納得してもらいましょう。
【残念なとき】
思い通りにならずに残念な結果になって「あーあ」と言いたいようなシーンってありますね。
“どうにもならないけど何か言いたい”とき、“ひたすら残念”なときの「仕方がない」「しょうがない」を英語ではどう言うのでしょうか?
覚えてしまうと結構ハマる表現です。
Too bad – 残念
What can I do – 何ができるっていうんだ
A : That book is sold out, I bought this for you instead.
あの本は売り切れだよ、代わりにこれを買ってきたよ。
B : Too bad.
残念(しょうがないな)
* Too badは決して悪いと言っているのではなく、皮肉であっても「残念」という意味の範囲は超えません。
So badだと「悪い」意味に加えて「やばい」「すごい」なども表現できます。
Yes, the cake is gone. Daniel shouldn’t have eaten your cake, but what can I do?.
そうなんだ、あのケーキはもうないんだ。ダニエルは あなたのケーキを食べちゃダメだったんだけど、どうしようもない。
A : Dad! I really wanted to go on a picnic!
パパー、私もう本当にピクニックに行きたかったんだからー!
B : It's storm, what can I do?
嵐だよ、しょうがないだろう?
*残念だけどどうにもならない、もどかしいときにwhat can I do?はぴったりです。
多少突き放した言い方になるので注意して使ってください。
【「仕方がない」「しょうがない」の おもしろい英語表現】
直訳では意味がわからない「しょうがない」の表現です。
意味がわかると、なるほどとうなずけます。英語独特のおもしろいフレーズです。
これらの意味が理解できていれば会話で出てきたときに話の流れが混乱しません 。
・Can't make a silk purse (out) of a sow's ear
雌豚の耳から絹の財布を作ることはできない。
*もともとのレベルや質が悪くて、努力しても良くはならないことの意味です。
まさに「仕方がない」「しょうがない」状態です。
He did his best to coach the team but you can't make a silk purse out of a sow's ear.
彼はチームをコーチするために最善を尽くしましたが、チームのレベルが低すぎて仕方なかったのです。
・Can't make head nor tail of (someone or something)
まったく理解できない
I've been working with the new software for hours, but I still can't make head nor tail of it.
私は何時間も新しいソフトウェアを使っているのですが、それでもまだまったく理解できません。
*頭と尻尾と表現していますが、頭の上からつま先までのように全体を指しています。
手も足も出ないお手上げ状態です。
「だってしょうがないよ、わからないんだから」のような投げやりな「仕方ない」「しょうがない」を表現するときに役に立ちます。
・Can't punch (one's) way out of a paper bag
紙袋から抜け出せない
Don't assign that project to her, she couldn't punch her way out of a paper bag!
彼女にそのプロジェクトを割り当てるなよ、彼女にやらせたってしょうがないだろ。
*極端な不適格を意味する言葉です。
未熟すぎまたは才能がなさすぎて「ムリ」 と言う時にも使います。
【関連用語】
Inevitable − 避けられない、免れられない、当然の
Inescapable − 避けられない
Obligatory − 義務的、必修の
Compulsory − (法や命令によって)強制する、強制的な、義務的な
Ineluctable − 避けられない、不可避の
Inexorable − 容赦ない、曲げることができない、動かせない
【まとめ】
日常会話の中で「仕方がない」「しょうがない」の英語が必要になったときは簡単で短く言えるOh well やCan’t help itが便利です。
Oh wellは口語的で比較的、重要度の低いことに使います。
Can’t help itならもっと幅広く使えますし、ビジネスでもOKです。
【選択肢がないとき】で説明しているUnavoidable 「避けることができない」「やむを得ない」は硬い言い方でビジネス的です。
似た表現でもNo choiceの方がもっと口語的でより広い意味で使えます。
誰かを慰めるときや、自分の言い訳に「しょうがない」と表現するなら軽いノリで言うThat's life「それが人生よ」などの慣用句もあります。
また【「仕方がない」「しょうがない」の おもしろい英語表現】で紹介した、直訳ではわからない英語のフレーズもここで理解しておくといいですよ。今後の会話につまずかないで済みます。